猿が落としていったこの部品を知って以来、未知なる武器への好奇心が湧き上がった。
別に猿のためになんて、これっぽっちも情なんて沸かせるつもりも無かったが、
何時もの俺とは間違いなく何かが変わっていた・・・・・・
なんとも言えないこの空気・・・・
挑戦への道・・・・猿が命をかけて守ったこの物体・・・・・
見たこともない武器への道が開かれたようで、
無性に楽しくなってきている自分がいるじゃねえか。
武器を持つ者にとって、武器の強さは自分自身の強さの一つだ・・・・・・
こんな機会がやって来て、挑戦しない奴なんて今後二度と武器は持たないほうがいいな・・
そんな気持ちが生まれ始め、それからは似たような物体を集め始めるようになっていた。
めったに手に入る物じゃないらしいが、なんとか集めUG屋の親父のところへ走った・・・・・
UG屋のこの親父名前シラネエが、誰もコイツの名前は知らないらしい・・・・
まあ、銃を持った物騒な野郎がゴロゴロしてる時代だから、人間すら信じずに名前も教えない
ってのは、解らんでもない。
こんな親父だから、誰もが自由にあだ名をつけて呼んでるようだ、
俺も例外でなく、俺の前ではこの親父は「NG」という名前だ。
親父一人の稼業のせいか、どんな名前が響こうがこの店ん中じゃ全てが親父の名前だ・・・・
それを解ってる親父は、どんな名前だろうが振り向きやがる・・・
太郎だろうが、ジョンだろうが、ポチだろうがな・・・・・・
まあ人に名前つけるなんて滅多にすることでもねえが、
名前をつけるのにはそれなりの意味がある。
「NG」ってのは、「NO GOOD」の略だな。
こいつに銃を渡せばいい結果を残したためしが無いってのが由来だ。
何時ものように店に訪れ、揃えた物体と銃を見せた。
「なかなか珍しい物を持ってくるな・・・・・・」
珍しくNGがしゃべりだした・・・・何時もとは何か空気が変わって感じたのは俺だけだろうか・・・
まあそんな気になったところで、銃をオシャカにしてちゃ何の意味もねえがな・・・・
「俺にこんな物頼みに来るなんて、お前もかなりの、銃ジャンキーだな・・・・
悪いことは言わねえ、コイツ売って金にしろ。」
こんな弱気なNGを見るのは初めてだ、こんなに何時もと違う光景が続くと、俺の好奇心が更
に掻き立てられる。
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