イベントと一言でまとめてしまうには、範囲が広すぎるのです。
何部かに分けて分類ごとに考察を加えてみたいと思います。
SE(Special Effect)としてのイベント
まずSEとしてのイベントについて考察してみます。
その昔、紙芝居型のRPGがありました。
現在でもアダルトゲームの一部で その名残を見ることができます。
動く部分と言えば「目パチ口パク」、現代では それに合わせて「しゃべる」というのもあります。
動画などのビジュアルシーンはあっても、ゲーム自体の進行は紙芝居なのです。
(なぜ そんな事を知っているかは… な・い・しょ♪)
初期の頃はシナリオをプログラム(コア)で表現していました。
そのため、シナリオに変更が入ると最初からコアを作り直す事になります。
これでは無駄が多いという訳で、シナリオを自由に変更可能なシステムが作り出さされました。
いわゆる【シナリオシステム(エンジン)】です。
エンジンには画面表示方法や音声の On/Off など基本的な動作パタンが登録されており、
シナリオで指定された方法で表現します。
またシナリオはHTMLのようにテキストで記述し、キャラの動きや表示方法、BGMの指定などが
書かれ、公開用にコンパイル(シナリオの暗号化)できるものもありました。
と、ここまでは一般RPGの説明なのですが、
シナリオ中の表現方法の変更やBGM操作などを イベント と総称しています。
つまり、通常の流れに対して特殊な表現をイベントと呼んでいた訳です。
RPGでは処理分岐の時にイベントが多用され、
ゲームをプレイする側ではゲーム中にビジュアルシーンが始まったりするのをイベントと呼んだのでした。
過去のゲームの構造を紹介してはいますが、ここに非常に重要な事が書かれています。
それは シナリオはシステムとは独立している という事なのです。
つまり、シナリオをシステムから独立させる事によって、設計変更の自由度が上がったという事なのです。
また、システム自体は単なるエンジンであり、まったく別のストーリーにも簡単に対応できるのです。
ゲーム製作者はグラフィック・サウンド・ストーリーの3つだけを作ればゲームが出来上がってしまうのです。
これは、現在では当たり前なのですが、当時としては画期的な事でした。
そして、この方式はゲームだけでなくビジネスにも利用されています。
MSパワーポイントなどプレゼンツールがそれです。
6-1.イベントの実装ではイベントの捉え方と実装方法としてシナリオとシステムの分離を解説しました。
多少タイトルからはズレていますが、イベント処理の予備知識とさせて頂きます。
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