デルタ:「クロウ!!応答して!!お願いだから・・・」
クロウは、ハメツとの戦いで生じた時空の歪み(ブラックホール)を消しに行ったまま、通信が途絶えていた・・・
ウルフ:「あの野郎・・最後の最後で勝ち逃げしたか・・・」
リリー:「クロウ様・・・」
ルル:「クロウお兄ちゃん・・・」
ララ:「勝手に居なくなっちゃうなんて・・ずるいのです〜・・・」
シグマ:「ウルフさん・・ワタシ・・・」
ウルフ:「何も言うな・・今はそっとしておいてやろう・・・」
船内は悲しみに沈んでいた・・・
デルタ:「・・さて、戻りましょうか」
シグマ:「デル・・・」
デルタ:「・・ありがと・・もう大丈夫だから」「・・ちょっとだけ席をはずすね」
そういうデルタの目には、涙がにじんでいた・・・
その時、通信が入ってきた。
???:「・・ら・・・ウ・・・うね・う・・・」
デルタ:「こちらアーク、電波状況が悪いみたい、もう1度お願い」
???:「こちら・・ウ、応答願う」「ゴ・・ムがまたダ・・しやがった」
デルタは、この声に聞き覚えがあった・・・
シグマ:「発進元をキャッチできたみたい、そっちに送るね」
その座標を見る・・先ほどまで歪みがあった場所であった・・・
???:「・・お、やっと起きたか、ゴーレム」
デルタ:「・・クロウ・・・?クロウなの?!」
「死んだかと思ったか?」
デルタ:「・・バカ」
「・・へ?」
デルタ:「クロウなんかもう知らない!!自力で帰ってくるのね!!!」
「・・お?お、おい?」「ちょ!?置いてくなってーーー!!!」
デルタは泣いていた、悲しいわけではなく、嬉しいから・・大切な人を失っていなかったからであった。
〜数年後〜
エデンのとある小屋・・・
少年の声:「お母さん、俺、ハンターになる!!」
母親の声:「せやったら、お父さんの装備を使い、あの人が引退する前まで・・教官になる前まで使かってた防具や」
父親の声:「流石俺とエールの子だな、まだ10歳だってのに・・よし!!これから大剣の特訓だ!!」
エール:「まったく・・気が早すぎるで!!」
ロイ:「ははは、すまんすまん」
少女の声:「お母さん、お料理教えて〜!!」
エール:「はいは〜い、ほな、行ってくるわ」
ロイ:「おう」
道の途中・・・
女性の声:「・・少し休みませんか?ワタシ、疲れちゃって・・・」
男性の声:「大丈夫か?シグ」「妊娠中なんだから無理するな」
シグマ:「それでは、ウルフがおんぶしてください♪」
ウルフ:「・・抱っこで言いか?」
シグマ:「・・はい♪」
ウルフ:「・・このままラム村へ行くか」
シグマ:「ふふ・・ルルとララが嫉妬しますよ?」
ウルフ:「・・だな」
ラム村・・・
ルル:「お兄ちゃん・・遅いね」
ララ:「お爺さんも遅いのです!!」
修羅:「我ならここだが?」
ルル・ララ:「にゃぁ!!」「驚かさないでよ!!/なのです!!」
修羅:「ははは・・すまないな」
ルル:「というより、こういうお爺ちゃんに慣れちゃったね」
ララ:「お爺ちゃんっぽくないお爺ちゃん・・なのです!!」
ルル:「・・その語尾、いい加減直したら?」
ララ:「とっくに直ってるけどね♪」
全員:「(笑い)」
そして・・・
男性の声:「お〜い、そろそろ行くぞ〜」
女性の声:「ちょっと待って〜お土産用意しなきゃ・・・」
男性の声:「エデンに行くのも久しぶりだからな〜・・・」
女性の声:「私たちの結婚を知ったら、ビックリするんじゃない?」
男性の声:「デル、忘れ物は無いな?」
デルタ:「クロウの方こそ、何か忘れてない?(ニヤニヤ)」
クロウ:「あぁ・・そうだったな」
そういうとクロウは、父親の写真の前へ・・・
クロウ:「親父、行ってくる」「・・んじゃ、行くか!!」
・・・いつかの遠い世界・・・そこには科学と魔法が同時に発展した世界があった。
引き裂かれてもなお、その世界に幸せが絶えることはない・・・。
END
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