まずMMORPG内での経済行為を考えてみます。
収入
事実上、狩りによるドロップ品と、それをNPCに販売する事で得たゲームマネーです。 これはいわゆるリアルでの労働の結果と等しいものです。 またドロップ品は次項の生産材料です。
生産
ドロップ品+α、場合によってはキャラクターのスキルで新しいアイテムを作る行為です。 生産成功確率のある場合もあり、ここで希少性も生まれます。 当然、その販売価格はプレイヤー依存の相場が支配します。 NPCに販売した場合、たいては損益となります。
販売/購入
ドロップ品、NPCからの購入品、生産品 などが販売対象になります。 購入者はゲームマネーでそれらを手に入れます。 また購入するためにプレイヤーは収入を得られる行為をします。
通常、ここまでは誰でも知っている事だと思いますので簡単に書きました。
ここから下は、それ以外の要素です。
RMT
規約で禁止/許可が決まっています。 通常は禁止なのですが、これに頼る者もいます。 RMT業者のキャラはゲーム内アイテムを販売目的で収集しようとします。 当然、一般のプレイヤーからは嫌われます。 また、彼らの存在はゲーム内経済にインフレをもたらし、結果として新規参入者を 締め出す事になります。 なぜなら、必要以上にゲームマネーが供給されるからです。
そしてこのテキストのタイトルでもあるメインの話題です。
貸借
実はゲームでは、この「貸借」に関するシステムが無い場合が多く、 貸借自体は行わない方が良いと思われます。 個人 vs 個人 の貸し借りとしてゲームマネーやアイテムを移動する事は可能です。 ですが、貸借の証拠が残りません。 これは「貸す」とは言っても事実上「あげた」事になってしまいます。 同様に「借りる」とは言っても「もらった」事になってしまいます。 リアルで貸借のトラブルを避けるには貸借証明書を利用します。 ゲーム内でトラブルになった場合、判断基準や証拠が無いのです。 という訳で、貸借に関するシステムが無い場合、なるべく貸借は行わない方が良いわけです。
貸借システムを備えたゲームもありました。
アイテムは削除/転売不可能で、システムが借り主から一定期間ごとに使用料を強制的に徴収し貸し主に納めます。
支払い不能の場合には、システムが強制的に差し押さえ貸し主に返却します。
ゲームマネーの場合は…(これは私が考えた拡張なのですが)
システムが借り主から一定期間ごとに利息を強制的に徴収し、貸し主に納めます。
返済不能の場合、借り主のプレイに支障を来すため、貸し付け金額にも上限があり、借り主のレベルでその金額が変わります。
支払不能になると借り主の資産全部が差し押さえになり使えなくなり、自己破産を迫られます。
また借りたアイテムは自動的に返却され、自己資産が借りた元金になるまで貸借システムが利用できなくなります。
まぁ こんな感じでしょうか。
こういう貸借システムが無い場合が多いので、プレイヤー同士の貸借は事実上【口約束】になります。
それを避けるため、コミュニティやブログなどで貸借表を公示する者もいます。
本来は個人情報に準じるものなので、公表は良い事とは思えませんが、それもトラブルを避ける方法の一つとも思えます。
また貸借はリアルの人間関係でも一般的に行われる事から、ゲームであっても経済を構成するものは「貸借システム」があって然るべきとも思います。
RMTを前提としていない事から現実の金銭トラブルには結び付かないので、開発コストから このようなシステムは少ないのでしょうが、アイテムやゲームマネーの貸借は無いとは言えず、こういうシステムの必要性は有ると思います。
通常、このようなシステムを持たないゲームでは金品を貸す側は「あげた物」としておく方が無難でしょう。
ですが借りた側はそのシステムが無い事を理由に「もらった物」として扱うと思わぬトラブルになります。
また故意に掠め取る目的で借りる場合もあるでしょう。
という訳で…
@貸借システムとは
A貸借システムの無いゲームでは貸借は好ましくない
という話を書いてみました。
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