これは私が小さいころに本当にあったお話です。
夏休みに、家族旅行で海の近くの民宿に泊まっていました。
有名どころのホテルのようなところではなく、個人経営してる感じのこじんまりとした民宿で、ボロイと言ってもいいくらいでした。
その日は海でさんざん遊んで、夕ご飯も普通に食べ、当たり前ですが親と一緒の部屋で布団を敷いて寝ることになりました。
部屋は親子三人分布団を敷いたら畳が見えなくなるくらいの広さで、枕側の壁には窓がありました。
両脇が親で、真ん中に寝ることになった私は、寝たまま上を向くと丁度窓が見えるような状態でした。
窓の外は暗くて、街灯も無く、外の様子は見えませんでした。
そのままうとうととして眠りにつき、夜中になんとなく目が覚めたとき、窓の外で誰かが手持ち花火でもやっていたのかオレンジの火花と人の足を見ました。
寝ぼけていたのでまた寝て、朝方にも一度目を覚まして、今度は窓の外にすずめがチョコチョコ歩いているのを見ました。電線に止まっているとかではなく、地面を歩いているようでした。
そして三度寝から目覚めて朝ごはんを食べていた時、
ここは二階の部屋だったということを思い出しました。
手持ち花火をやってる人の足とか、地面を歩くすずめとか、寝たまま窓を見上げるという角度で見えるはずが無いのです。
あれは夢だったのか、今でも良くわかりません。
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